造形理論

構成三原則 原型

構成三原則の第三は、原型です。主格:対格:附格の主要三格の記号が描く作品の骨組は、構造的に内視できる無言の”像”を示し、これを作品構成上の基本的な「形態」としています。

日本民族は、自然の中で生きる事の深さ−−美や真実に出会った自然中心的な世界観を伝統としました。その計り知る事のできない現実さを、形で表現しようとする時、常に非対称の姿に求めました。数字で言えば、それは奇数となります。
そして、花芸安達流はこの原型を”不等辺三角形”とし、これを創意の根本原則と規定しています。更に、この形にのみ固執していては、あまりにも狭義な法則となるため、”不等辺三角形”を自由な展開を示す原型として加えました。共に安達流独自の形態”動”の世界を暗示していると言えます。

花/(種)イボタノキ (種)バラ 器/円すいばん
伝統的な中心の高い作品は、立華に始まり生花へと、そして現代諸流のほとんどの基本形も中高となっています。中低の基本形は、花芸安達流のみと言えます。
主格:対格:附格の主要三格の記号を結んだ時、”逆”不等辺三角形が正面図、平面図と共に描かれなければ不十分です。